ここさけ

先日、ここさけを見てきました。
私の旦那は、大のあの花ファンで、そのあの花を制作したところが作った映画、として、ここさけも大分見たがっていました。近場の映画館、レイトショーで。旦那ほどではないとはいえ、私もあの花は好きで、この映画も興味がありました。

「ここさけを見てきた話 ネタバレ有」

が今回書こうと思う内容なので、ここさけのネタバレが嫌、という人はお戻りください。
そしてとても批判的な意見の連続なので、この映画に好意的な方にもお勧めできません。



と、いうわけで本編の感想。

さすが映画、なので絵はとても綺麗でした。細かな動きとか、とても丁寧だなぁと思いました。物語自体も、幼い頃のトラウマを抱えた女の子を切欠に色々とわだかまりがとけたりとけなかったり…。途中まではとても楽しく見ることが出来ました。トラウマの描写とかなるほど、なるほど、でしたし。お約束といえばお約束だけど、ちょっといきがった男の子が、打ち解けていく流れなんて、分かっていても心が温かくなりました。

そう、途中までは

後半部分は、自分にとって本当に苦痛でした。


っていうか、何で痴情のもつれ?

っていうか、何で逃げるの?

っていうか、何でお前がそれを言えた義理なの?

っていうか、っていうか、っていうか、、、


その連続でした。
同じクラスのカップルがキスしているところを偶然見てしまって。結局それが羨ましいから、よもやあんな誰が通るか聞いてるかも分からない校内で、痴情のもつれを繰り広げた主役2人に辟易しました。うまくいってる2人を羨ましがって逆ギレするくらいなら、とっととよりを戻しておけばよかったのに、とイライライライラ。

お約束でそれを見てしまったやはり主役子が、次の日、まさかのばっくれにも正直どん引きしてしまったし。一時の感情とはいえ、君は自分が切欠で、クラスの皆がミュージカルをやろうと、そういう経緯になったことを忘れちゃってるのかな?と往復ビンタして問い詰めたい気持ちでした。

すっかり自分のことを棚上げして暴言を吐く主役子の姿にも泣けなかったし、それを怒ることなくむしろ肯定して、「名前を呼んでくれた」と感謝する主役男にももう口端を引きつらせることしか出来ませんでした。

最後の最後に君だけはまともだろうと思っていた野球部の主役も、何だかんだで告白する!とか言い出して、「おいおいお前、女なら誰でもいいのかい?」ともれなくどん引き。

綺麗に四タテで、上映後はどんよりとした気持ちで映画館を出る羽目になりました。

いかんせん前半部分がよかっただけに、怒涛のしょーもな!展開となってしまった後半部分は、途中、「明日の夕ご飯は何にしよう」とか「そういえば油がなかったっけ」だとか、そんなことでも考えておかないとさらなる靄に押しつぶされてしまいそうで。


何ていうか、自由という靴を左右間違えて履いちゃってる子たちが、必死に100mを走ってるような、不自然さが多分イライラになったんだと思います。

そんな後半部分唯一の清涼剤は、主役2人が来ても来なくても自分に出来ることをするだけだ、と言い切ったクラスの女の子なわけで。

主役4人は、散々迷惑と心配をかけ、巻き込まれたくもない痴情のもつれに巻き込んだクラスの全員に土下座するべきなんじゃないかと思いました。私なら向こう20年くらいは話の種にしそうです。こんな痛い奴らがいたんだと。


よもや自分でもこんな否定的意見を持つとは思わなかったので、本当にビックリです。特に女の子。見た目は可愛いのに中身がひでぇ。あの花で双方共にいい子を出しすぎちゃった弊害ですか?と問わずにいられない。

映画のレビューとしては概ねいい感じだったので、私の感想は随分ひねくれたものだと思いますが、それでも釈然としないものはしない。

あの、「青春」という世界に、若い感性に、もう自分がついていけなくなった鮮やかな証拠として、この釈然としない気持ちにやすりをかけておこうと思います。


しかし山の上のお城、というワードが出た瞬間に「ラブホじゃない?」と瞬間予想出来た人は結構多数だと思いたい。